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華道相阿彌流

〒162-0805 東京都新宿区矢来町75-1
TEL:03-3268-6545

500年以上受け継がれる華道の名門
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    つなげよう花の心– tag –

    • 「つなげよう花の心14」ご報告

      令和7年2025年9月27日(土)と28日(日)に増上寺で開催された復興応援いけばな展「つなげよう花の心14」に相阿彌流家元・横地画抱が作品を出瓶しました。復興応援プロ...
      2025年10月19日
      展示報告
    1

    これからの展示案内

    • 2025年11月25日
      【2025年11月29日~12月5日】靖国神社献花展のご案内
    • 2025年11月23日
      【2025年11月22日~27日】第33回いけばな新進作家展(横浜)のご案内
    • 2025年11月22日
      【2025年11月23日・24日】いけばな大賞2025(第98回全日本いけばなコンクール)前期展出品のお知らせ
    • 2025年9月11日
      【2025年9月27日~28日】復興応援いけばな展『つなげよう花の心14』のご案内(東京都・増上寺)
    • 2025年7月22日
      【2025年8月20日~25日】第75回神奈川県華道展のご案内(横浜髙島屋)

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    • 【2025年11月29日~12月5日】靖国神社献花展のご案内

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    【靖国神社献花展(2025年冬) 相阿彌流 展示作品紹介】 2025年11月末から12月初週にかけ【靖国神社献花展(2025年冬) 相阿彌流 展示作品紹介】
2025年11月末から12月初週にかけて、
靖国神社(東京)に相阿彌流(相阿弥流;そうあみりゅう)より21世家元・横地画抱以下門下生の総勢17名が華道作品を奉納・展示いたしました。
靖国神社への献花は超流派の華道団体「靖國神社献華協會」によって行われてているもので、
御祭神奉慰のため御社頭に常時「いけばな」を奉献することを目的に、現在約50の流派・社中が交替で花を奉納し続けています。
今回は、奉納作品より湊珠光による赤芽柳の生花を紹介します。
■作家(Artist):
湊 珠光(Jukō MINATO)
▫️花態(Category & Form)
古典花 生花(Seika, Classical Style Ikebana)
■花材(Materials):
・赤芽柳(アカメヤナギ aka-me-yanagi / Salix chaenomeloides)
▶鑑賞の手引き
古典花の定番花材でもある赤芽柳(アカメヤナギ、正式にはマルバヤナギ)1種のみでいけられた、
これぞ華道の古典と言いたくなる美しい1作です。
生花(せいか/しょうか;江戸時代期に形成された、町人の家の小さな床の間にも合うよう設計されたいけばなの形態)というものは、
まず根元(水際)が1本に見えるよう整えることが基本となります。
そこから樹木が枝分かれしていくように役枝を曲げていくのが基本なのですが、
これが意外と難しいのです。
とりわけ、赤芽柳のようなほとんど枝だけで葉がないような花材となると、誤魔化しが利きません。
たとえば檜葉(ヒバ)のようにわさわさとした葉が枝を覆っている植物であれば、
元の1本筋から分岐する箇所を葉で隠すなどして、
多少は枝がズレて挿さっていても鑑賞する側にはわからないようにできます。
しかしながら、赤芽柳の場合ではそうもいきません。
少しでも本筋(水際から立ち上がり、1番高い枝までの1本道)からズレてしまうと、
そこだけ急に線が太くなって細長い線の美しさを損ねてしまいます。
もっと言えば、部分的に2本線になってしまって台無しに……なんてこともあるのです。
とにかく、1つの幹から整った調子で枝分かれしていくようにいけなければなりません。
緻密な調整を要する花材です。
そんなことを踏まえながら、
あらためて写真の作品をご覧になってみてください。
特に左側に大きく張り出す枝(相阿彌流では「用(ヨウ)」と呼びます)と、それに連れ立って本筋から左へ逸れてくる枝の一群など、いかがでしょうか。
用の分岐を始点に、まるでその次に生えてくる枝たちが用に寄り添おうとしているかのように、一定の間隔で用の枝と同じ逸れ方を見せています。
視線をさらに上へ向けていきますと、
やはり本筋(1番高い枝の線)と途中までは完全に同じカーブを描きながら、
あるポイントに達するとわずかに枝先の方向を変えるようないけられています。
赤芽柳は比較的入門したての頃に触れることも多い花材である反面、
ここまで端正な作品に仕上げるのが非常に難しい花材でもあります。
枝自体も撓めやすい(折れずに曲がりやすい)ので、
はじめのうちはついつい作為的になってしまい、花材が本来持っていた繊細で真っ直ぐに線の美を損なってしまうことも多いのです。
それもそれで面白く美しい作品になるのですが、
作為が勝りすぎたものは華道らしいとは言えません。
華道には、「出生(しゅっしょう)」と言って、それぞれの花材である植物が自然界で本来持つ姿や習性を重んじようという思想があります。
出生に向き合い、その魅力を純化させて作品としようとするのが華道の基底部にある精神です。
本作はまさしく、生花の造型法が純粋に発揮されるとと同時に、
真っ直ぐな線の美しさを持つ赤芽柳の性質をしっかり活かした作品と言えるでしょう。
—
《靖国神社献花展(2025年冬)相阿彌流展示概要》
■会期:
2025年11月29日~12月5日
■会場:
靖国神社 内苑 拝殿前献花席
■奉納:
靖国神社献華協会
■出瓶者:
華道相阿彌流21世家元・横地画抱、以下門下生
    【靖国神社献花展(2025年冬) 相阿彌流 展示作品紹介】 2025年11月末から12月初週にかけ 【靖国神社献花展(2025年冬) 相阿彌流 展示作品紹介】
2025年11月末から12月初週にかけて、
靖国神社(東京)に相阿彌流(相阿弥流;そうあみりゅう)より21世家元・横地画抱以下門下生の総勢17名が華道作品を奉納・展示いたしました。
靖国神社への献花は超流派の華道団体「靖國神社献華協會」によって行われてているもので、
御祭神奉慰のため御社頭に常時「いけばな」を奉献することを目的に、現在約50の流派・社中が交替で花を奉納し続けています。
今回は、新谷一景による葉蘭(ハラン)1種いけの生花3作を紹介します。
■作家(Artist):
新谷 一景(Ikkei ARAYA)
▫️花態(Category & Form)
古典花 生花 (Seika, Classical Style Ikebana)
■花材(Materials):
・葉蘭(ハラン haran / cast-iron plant / Aspidistra elatior)
▶鑑賞の手引き
「いけばなは葉蘭(ハラン)に始まり葉蘭に終わる」という格言があるのですが、
それをそのまま1年のうちで実行した(ずっと葉蘭をいけていた)男、いつか「葉蘭バカ一代」になりたい筆者(広報)こと新谷一景の葉蘭作品群です。
相阿彌流のお家芸とでも言うべき葉蘭(ハラン)の生花を、
異なる花器で3作5株いけた作品群です。
生花の展示はどうしても寸胴(竹筒等)中心になってしまうという課題意識から、
筒型花器と違う趣・低い位置(お子様や車椅子をご利用の方の目線など)からでもお楽しみいただけるようにと、
背の低い銅器や変わり種の石製花器、そして虎竹の竹網籠を選びました。
右手側の作品は、瑞獣(龍・麒麟・象)が描かれた銅器です。
たいへん縁起の良い柄したので、これにふさわしい格調高さを目指して葉の枚数を多めにし、
主役としてふさわしい姿になるよう迫力重視の花に仕立てました。
銅器の下に古帛紗(こぶくさ)が敷いてあるのは、
この花器の格を考慮して、他の花器よりも1段上になるようにするためです。
中央手前は、中国の美術品で、
青田石(せいでんせき)を彫って菊の紋様をあしらった3つ口の小さな花器です。
青田石というのは中国の青田県で産出される石材で、
篆刻、つまり石に印などを掘るのに適した柔らかさと風合いのある素材です。
ハンコを作る練習素材などによく使われたものでしょうか。
生け口が非常に小さいものですので、
小品を3株いけ、葉蘭の新葉や下葉を意識したミニマムな世界に挑戦しました。
相阿彌流の展示ではあまり見かけることがない、3葉の横型曲いけなども作品に組み入れられ、バリエーションを出せています。
左手側の竹籠は、虎竹というまだら模様の美しい竹を使って編まれたものです。
取っ手付きの花器ならばもう少し取っ手の作る円の世界を活かしたかったところですが、
まだまだ技量不足。ほとんど垂直に立てる形にとどまりました。
とはいえ、限りなく垂直に近くいけることで余白を最大限確保し、
竹籠が持つすっきりとした風情を強調できたのではないかと考えています。
3つの異なる情緒を1種類の花材のみで表現したこの作品群の区画は、
枝ものや花が並ぶ他のスペースとは異なる不思議なゾーンになっていたのではないかと思います。
—
《靖国神社献花展(2025年冬)相阿彌流展示概要》
■会期:
2025年11月29日~12月5日
■会場:
靖国神社 内苑 拝殿前献花席
■奉納:
靖国神社献華協会
■出瓶者:
華道相阿彌流21世家元・横地画抱、以下門下生
    【靖国神社献花展(2025年冬) 相阿彌流 展示作品紹介】 2025年11月末から12月初週にかけ 【靖国神社献花展(2025年冬) 相阿彌流 展示作品紹介】
2025年11月末から12月初週にかけて、
靖国神社(東京)に相阿彌流(相阿弥流;そうあみりゅう)より21世家元・横地画抱以下門下生の総勢17名が華道作品を奉納・展示いたしました。
靖国神社への献花は超流派の華道団体「靖國神社献華協會」によって行われてているもので、
御祭神奉慰のため御社頭に常時「いけばな」を奉献することを目的に、現在約50の流派・社中が交替で花を奉納し続けています。
今回は、等々力誠進による伊吹と檜葉の主客1対を紹介します。
■作家(Artist):
等々力 誠進(Seishin TODOROKI)
▫️花態(Category & Form)
古典花 生花 (Seika, Classical Style Ikebana)
■花材(Materials):
・檜葉(ヒバ hiba / Thujopsis sp.)
・珊瑚水木(サンゴミズキ sango-mizuki / Cornus alba var. sibirica)
・菊(キク kiku / Chrysanthemum sp.)
・伊吹(イブキ ibuki / Chinese juniper / Juniperus chinensis var. chinensis)
▶鑑賞の手引き
主位(根本から一度左手側へ張り出し、その後中央=右手側とカーブを描きながら戻っていく形)と客位(主位を左右反対にした形)の2作1対による展示です。
左側にある主位の作品は珊瑚水木(サンゴミズキ)と檜葉(ヒバ)を主題に菊の花を添え、
古典花ながらも洋花の現代花に負けない色鮮やかさです。
合わせられている花器も赤と黒(臙脂)のストライプが華やかで、
古典とモダンの両要素が美しく調和しています。
右側の息吹1種いけは、いけ手(等々力)が得意とする枝を大きく撓める(曲げること)技術を活かした作品で、
銅製の花器(この形状のものをよく「薄端〔うすばた〕」と呼びます)の上に鎮座するにふさわしい荘厳な佇まいを見せています。
特に、作品の中腹部はほとんど正円に近いところまで撓められており、
いけ手の撓めの技術と造型力が光る作品です。
華道をはじめ、日本の古典芸能には「真(しん)」「行(ぎょう)」「草(そう)」という概念があります。
もともとは書の概念で、「行書体」や「草書体」という言葉を目にしたことがある方も多いでしょう。
「真書体」というのは今日で言う楷書体のことで、
そこから「行書体」「草書体」となるにつれて、字が崩れていく(文字の細かなディテールが省略・単純化され、抽象的かつ美術的要素が強くなっていく)わけです。
この概念が中世以降の日本で他の芸道にまで拡張され、
たとえば茶道においては「真のお点前(てまえ)」「行のお点前」「草のお点前」などと作法からお道具にいたるまで格式が定められています。
といっても、現代において「真」「行」「草」の間に優劣が想定されることは少ないです。
もともと「真」にあたる点前(とその用具)は神仏や高貴な方に奉るために用いられるものであったとか、
書においても(中国では)「真」ことが正式・正統で格式高いものであったとか、そういった経緯は存在します。
他方で、日本には「侘(わび)」「寂(さび)」といった美意識に象徴されるように、
質素な形態である「草」(茶室は「草」の建築様式に相当)から発展した芸道観が存在します。
ですから、「真」「行」「草」それぞれに同等の価値を認める立場をとられることが多いようです。
さてさて話題を花に戻しますと、
いけばなにもやはり「真」「行」「草」という概念があります。
主に花型に関するもので、最も基本的であり全花型の基軸たるものを「真」。
そこから、技巧を凝らしたり風情を追求したりして型を変化させていったものが「行」や「真」にあたります。
もっと言えば、生花(せいか/しょうか)だけでも「真の真」(「真」の中でもとりわけ正統な「真」であるもの)から「真の行」等、そして「草の草」に至るまで、より細かく・多くの花型が措定されています。
また、お流儀によってはこのうち行型や草型に特化したものがあるケースもあります。
今回の写真では、
左手側の主位のものが「真」の花型に近いもので、
右手側の客井のものは「行」や「草」の花型に近いものと言えるでしょう。
「行」や「草」の花型のほうが、写真映りなどもよく、初めてお花をご覧になる人も「なんか、すごい!」という感想を抱いていただきやすいので、
どうしても人気はこちらに集中します。
しかし、すべては「真」から始まっており、
自身の芸や技術を見直すとき常に立ち返るのが「真」の花型です。
特に相阿彌流の「真」の花型は、平面写真で見てとりやすい縦横の線だけでなく、
立体造型美術として、奥行き方向の広がりや、写真にすると他の部分と同化してしまうような細かな枝先の張り出しが織りなすリズム感にその特徴と良さが現れます。
そういった立ち返るべき原点があるからこそ、
自由闊達に、かつ流派の特徴を失うことなく、行型や草型の開発にも挑めるというものです。
ぜひ、各地の展覧会などで相阿彌流のいけばなをご覧ください。
    【靖国神社献花展(2025年冬) 相阿彌流 展示作品紹介】 2025年11月末から12月初週にかけ【靖国神社献花展(2025年冬) 相阿彌流 展示作品紹介】
2025年11月末から12月初週にかけて、
靖国神社(東京)に相阿彌流(相阿弥流;そうあみりゅう)より21世家元・横地画抱以下門下生の総勢17名が華道作品を奉納・展示いたしました。
靖国神社への献花は超流派の華道団体「靖國神社献華協會」によって行われてているもので、
御祭神奉慰のため御社頭に常時「いけばな」を奉献することを目的に、現在約50の流派・社中が交替で花を奉納し続けています。
今回は、助川梅里によるアカシアの現代花を紹介します。
■作家(Artist):
助川 梅里(Bairi SUKEGAWA)
▫️花態(Category & Form)
現代花 (Modern Style Ikebana)
■花材(Materials):
・アカシア(acacia, or silver wattle / Acacia sp. cf. dealbata)
・檀(mayumi / Euonymus sieboldianus var. sieboldianus)
・孔雀草(kujaku-sō / White heath aster / Symphyotrichum pilosu)
・菊(kiku / Chrysanthemum sp.)
・カラー(collar / Zantedeschia sp. cf. aethiopica)
▶鑑賞の手引き
相阿彌流座間・渡部盧舟教室より助川梅里の出瓶です。
アカシアの枝と檀(マユミ)を主題に、
緑と赤を基調とした拵えに仕上げました。
ディテールの全体としては右手側にウェイトが掛かるように構成されており、
アカシアの枝がたなびく様子などから、
左手側にある太陽へ体を伸ばそうとしつつも、左側からの強風などによって右へ右へと流されてしまった……というような物語を想像できる1作です。
アカシアは花材として大変ポピュラーな植物ですが、
花(よく「ミモザ」と呼ばれる、淡黄色のわさわさとした大量の花)が咲いていない時季のものでさえ、
美しくかつボリューム感の強い葉の樹勢が見る人の目を奪ってしまう存在感ある花材です。
したがって、アカシアを取り入れる際には、
アカシアに視線のすべてを持っていかれぬように、
他の花材などで見どころを作らねばなりません。
またボリューム感を出しやすいからといってボウボウと挿れてしまうと、
アカシアの生命力だけで作品が完結してしまい、
いけばなというよりかは植栽のようになってしまいます。
本作では、アカシアの枝はなるべく奥側にいけ、
ときおり手前側へ枝先を倒してくることで、
圧迫感を抑えつつ作品のなかに遠近の奥行きを生み出しました。
また鮮やかな赤色の色彩を複数取り込むことでファーストインプレッション時の見どころをアカシア以外の部分へ移しています(暖色は、寒色よりも浮き上がって=手前側に見えるという性質があります)。
かといって赤それ自体も原色に近く強い主張を持つものですので、
これを先ほど手前側へ倒してきたアカシアの枝などで少し覆い隠すことで、
花や実に奥ゆかしさを醸成することに成功しているのです。
また中央腹部まわりに用いられているカラーについても、
原色の黄色ではなくややオレンジから紅色みがかったものを使うことで、
他の花材が持つ赤や緑の色彩をうまく橋渡ししながら、
鮮やかさをプラスしています。
よく見る真っ黄色のカラーでは、こうはいかなかったでしょう。
また白のカラーならば、特にアカシアの葉色と相性も良く非常に合いそうではあります。
ただ、そうするとカラー単体で目立ち見どころを増やしすぎてしまいますね。
そう考えると、この色彩のカラーを少し奥まった位置に据えたいけ手(助川)の色彩感覚や構成力の妙がおわかりいただけるのではないかと思います。
白の色彩がアカシアに合うという点については、
ごくごく淡い藤色と白の色を持つキク科の花を散りばめることで、
緑と赤にさらなる冴えを付与しながら、
自身は着目点とはならず鑑賞しやすいまとまりを形作っていますね(見どころが多すぎる花も、それはそれで鑑賞しにくいものになります)。
非常に洒落た作品で、洋間に飾ってもさぞかし美しく光景になることでしょう。
いけ手(助川)の色を操る技が光る1作でした。
—
《靖国神社献花展(2025年冬)相阿彌流展示概要》
■会期:
2025年11月29日~12月5日
■会場:
靖国神社 内苑 拝殿前献花席
■奉納:
靖国神社献華協会
■出瓶者:
華道相阿彌流21世家元・横地画抱、以下門下生
    【靖国神社献花展(2025年冬) 相阿彌流 展示作品紹介】 2025年11月末から12月初週にかけ【靖国神社献花展(2025年冬) 相阿彌流 展示作品紹介】
2025年11月末から12月初週にかけて、
靖国神社(東京)に相阿彌流(相阿弥流;そうあみりゅう)より21世家元・横地画抱以下門下生の総勢17名が華道作品を奉納・展示いたしました。
靖国神社への献花は超流派の華道団体「靖國神社献華協會」によって行われてているもので、
御祭神奉慰のため御社頭に常時「いけばな」を奉献することを目的に、現在約50の流派・社中が交替で花を奉納し続けています。
■作家(Artist):
原島 星美(Seibi HARASHIMA)
▫️花態(Category & Form)
現代花 (Modern Style Ikebana)
■花材(Materials):
・野薔薇(nobara, or noibara / Japanese rose / Rosa multiflora)
・百合(yuri / lily / Lilium sp.)
・アルストロメリア(Alstroemeria sp.)
・フリージア(Freesia / Freesia refracta)
・ヒペリカム(Hypericum sp.)
▶鑑賞の手引き
野薔薇(ノバラ)と百合(ユリ)を主題に、
色彩豊かな複数の花材で大いに華やかさを見せた1作です。
花の百貨店のごとく色とりどりの花材を組み合わせながらも、
それらを作品の中心部分にグッと寄せ、全体のシルエット構築は野薔薇に任せたことで派手な印象とはならぬよう、見事に構成されています。
また花器としては網籠を取り合わせたことで、
ボリューム感の強い株元付近の印象をすっきりさせることにも成功しています。
また、たとえば作品右下部分の百合の下にあしらいの葉を入れるということもできたでしょう。
ただし、そうしてしまうと正面側からは足元がすべて草花で覆われているかたちになってしまいます。
ここに間を取っておくことで、網籠の花器と相まって「風通しの良さ」のようなものを感じられるようになりました。
いけこむ花材も、
右手から中央にかけては大ぶりな百合の花。
そこから左手側にかけては小ぶりな花・葉・茎が選択されており、
右手上側から左下野薔薇の枝先に向けて風が流れていくようなリズムを感じることができます。
百合やフリージアはとても香りの強い花ですから、
作品がつくる風の流れに乗って、花の薫香が鼻をくすぐるようです。
洋花が織り成す西洋的な強いエネルギーを、
枝ものや花器、葉ものなどの使い方で巧みに操って流れを整えた、まさしく現代いけばならしい1作です。
—
《靖国神社献花展(2025年冬)相阿彌流展示概要》
■会期:
2025年11月29日~12月5日
■会場:
靖国神社 内苑 拝殿前献花席
■奉納:
靖国神社献華協会
■出瓶者:
華道相阿彌流21世家元・横地画抱、以下門下生
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